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Channel: mono森音
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Manos。

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自然の息吹を感じる詩情豊かなギターのアルペジオ。それはまるで、光りの粒をからませ、新緑の草原を吹き抜ける風のように、どこまでも瑞々しく清らかな音の連なり。土の呼吸、木々の語らい、水辺に踊る陽の光り。このアルバムをはじめて聴いたとき時、そんな風景が瞼の奥に広がってゆくのを感じました。

今年の4月に美幌町民会館「びほーる」で素晴らしい演奏を披露していただいた、藤本一馬さんと伊藤志宏さんの初デュオ作品『ウェヴニール』。このアルバムを制作した、兵庫県姫路市にあるカフェ「ハンモックカフェ」(http://hummock.blogspot.jp/)の中村ご夫妻が主催する「ハンモックレーベル」(http://hummocklabel.com/)から、今年の秋に届いた待望の第二弾作品『Manos(マノス)』をご紹介させていただきます。このアルバムも、私個人的に特別な想いの詰まった作品です。ハンモックカフェの中村ご夫妻とは、美幌町でもコンサートをしていただいた、ギジェルモ・リソットさんの音楽を通して知り合いました。中村ご夫妻の並々ならぬ音楽への愛と情熱、そして真摯な姿勢に、いつもたくさんの勇気と希望をもらっていました。そんな中村ご夫妻が、心を込めて制作されたこの作品は、お二人の人柄を表しているかのように、とても穏やかで素朴な温かさに満ち溢れています。

1959 年生まれブエノスアイレス在住ギタリスト作曲家 カルロス・モスカルディーニによる書下ろし曲、スタジオ・ニューレコーディング、名作マスター音源からリマスタリング収録した全曲オリジナル/初の日本盤ヒストリーアルバム。円熟した手の温もりを感じるギター独奏を中心に、女性ピアニスト リリアン・サバとの二重奏、ヴァイオリニスト ラミロ・ガジョ率いる弦楽四重奏のリリカルな調べに心の機微を掴まれる優美なインストゥルメンタル集。

牧歌的で愛らしい曲、ミステリアスで叙情的なワルツ曲、ギターと弦楽四重奏で奏でられた情感溢れる曲など、七色に輝く音のプリズムを内包したきらめきに満ちた一枚。思わず笑顔がこぼれる、愛らしいジャケット・デザインは、切り絵作家YUYA氏による描き下ろし作品。温もりある手触りのサトウキビ紙にオフセット印刷されてます。

まるで大切な友人と時間を忘れてゆっくり語らっているような、リラックスした雰囲気に包まれた心ほぐれるアルバム。季節やシチュエーションを選ばない、末永く聴き続けたい親友のような音楽です。



音楽のフェア「Under the Blanket」 今回二つ目のおすすめ盤紹介です。
上の文章は、音楽担当のスタッフが書きました。
開催中に、スタッフのおすすめと店主のおすすめ、2枚のCDをご紹介したいなと考えていました。店主のおすすめは『Manos』にしましょうと思ってましたが、先週スタッフがおすすめした『BEAU PAYSAGE~Pinot Noir 2015』があっという間に完売し(お買い求めいただきましたみなさま、ありがとうございました)早く続編をアップしたいのになかなか原稿がまとまらず、今回もスタッフに書いてもらうことにしました。(素敵な紹介になって大成功!)
『Manos』、サンプル盤が届いて以来何度聴いたかわかりません。このCDが流れているあいだ森音は、自分の理想とするお店に一歩近づきます。静かで、でも暗くはなくて、風通しが良く澄んだ空気に満ちた空間です。これから違う形でお店を開けても、わたしの店には必ず音楽が流れていますから、そこでもきっとこのCDを繰り返し流し続けるのだと思います。
次に開くお店でかなえたい夢がもう一つあります。『Manos』のジャケットの絵を制作した切り絵作家のYUYAさん、彼の作品がとても好きなので、いつか制作されてる雑貨を取り扱ってみたいと夢見ています。森音のお客様は、YUYAさんの作品をきっと好きになると思うからです。

音楽はすごいな。
来年以降のこと、今は閉店に向けて突っ走るばかりでなにも考えられないのに、
音楽を聴くことと音楽から繋がる企画みたいなものはクリアに定まる。
今までも、これからも、音楽に寄り添って暮らしていくことだけは間違いないから。

『Manos』、店主からもおすすめします。

---写真は、ハンモックレーベルのものをお借りしました。




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